Molbie¥’s Talk

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January 3, 2003

正月・短編

忙しいときに限って違うことをしてしまいます。
今日は朝から短編のお話を書いてました。
新年の1回目と言うことで大目に見て下さい(笑)


「先ほどは、どうも。」

不思議な人と出会いました。
初詣でごった返す参道脇の屋台は
まだ昭和のたたずまいそのままで、
まるでそこだけが時間の流れから取り残されたようでした。

「ドコかで、お会いしたことありましたっけ?」
僕は反射的にそう聞き返しました。
目の前の、僕と同じアーガイル柄のセーターを着た初老の男性を
記憶の中で辿ってみましたが見あたりませんでした。

しかも僕はここに一人で来て、一人でお参りしました。
バスで、席を譲ったりなどもしていません。
彼に「先ほどは、どうも。」と、
話しかけられる理由がどこにも見あたらなかったからです。

「ああ、失礼しました。
 先ほどあなたを本堂に続く階段でお見かけしたんですけど、
 ほら、警官が行列を整理してて先頭に立っていましたよね?
 あなたの目の前で列がちょうど締め切られて。
 私はちょうど隣に立っていたんですけど、
 なんというか、興味を持ってしまったんです。
 文庫本以外何も持っていないあなたに。」

そう言うと、彼は僕の持っていた文庫本に視線を落として
興味深そうにタイトルをのぞき込みました。

「ああ、コレですか。大して意味はないんです。
 出がけに目に付いた一番厚い本を選んだだけですから。」

僕が文庫本を持ってお参りしたのは特別な意味なんて無く、
去年よりいくらか増えた年賀状に目を通したくなかったから。
「今年こそは是非遊びに行きます。」という言葉に
何通も返事を書くのに嫌気がさして家を出てきただけのこと。

ドコかで本でも読んで時間でも潰そうとふらふらしていたら
ココの仲見世でもらえる飴を食べたくなってふと立ち寄りました。
そして、飴を口に含んで戻ろうとしたら初詣の行列に巻き込まれ
仕方なく本堂まで運ばれてしまったというだけのこと。

1時間以上、人混みにもまれて飴もすっかり溶けて無くなり
仕方なく参道脇の屋台で1杯600円の升酒を
飲んでるときに声をかけられたのです。

僕はここに来たいきさつを出来るだけ丁寧に説明をしました。
元々、時間つぶしにやって来たのです、それくらいの余裕はありました。
僕には彼が思っているような特別な意味など無いことを
時間をかけてゆっくりと説明しました。
彼は「ええ、分かってましたとも。」と言うような雰囲気で
僕の話を一通り聞き終えると、穏やかな口調で話を始めました。

驚いたことに彼は自分についての話などはひとつもしなかったのです。
内容は全て僕の話ばかり。

ガール・フレンドのこと、受験に失敗したときのこと、
ロンドンのひどくまずいジャパニーズ・レストランのこと、
彼が話すことは間違いなく僕の話ばかりでした。

「驚かれましたか?無理もないですね。
 何故、私が自分のことを話さないか不思議に思ったでしょう。
 あなたは私の過去なんですよ。いや、私があなたの未来なのかも。
 それは、この際どっちでもいいことですね。
 あなたはそんなことなど気にかけない方だと言うことも
 知っていますから。
 私は今日、論語を持ってココに来るあなたに会えるのを
 楽しみにしていました。
 そして、きっと会えると信じてました。」

遠くで飴切りのカタカタという包丁の音が響いています。
ぼーっとした僕の耳に幾重にも重なり不安な気持ちをあおり立てます。
冷たい風がアタマの奥でカリッと乾いた音を立てたのが聞こえて、
僕は我に返りました。

僕が人とのつながりに嫌気がさした結果
僕の心がこの初老の男性を作り出してしまったのです。
それは、何となく理解できました。

「日本酒ではたしか熊澤がお好きですよね?
 純米酒が飲める店があるんですけど、これからどうですか?」
「いえ、これから年賀状の返事を書かなければならないので。」

僕がそう告げると彼は満足そうにうなずき、
「それは、大切なことですよね。すいません、足止めをしてしまって。」

その瞬間、あちこちの屋台からの呼び込みの声が
一斉に僕の耳に飛び込んできました。
飴切りの音さえも雑踏の中にかき消されてしまいました。
街頭のスピーカーからは繰り返し聖書を読み上げる声が聞こえてきます。
彼の姿はもう見あたらなくなってました。

僕はなるべく余白の多い年賀葉書を何枚か買い、
家路を急ぐことにしました。
アタマの中に感謝の言葉を思い浮かべながら。

2003年1月3日


Re:正月・短編

maribikkeさん

あけまして、おめでとうございますっ。
今年もよろしくお願いします。
短編にレス付けるっていうのは、野暮かしら。
とにかく、あたしはいい気分になりました。
、という事で、あたしもまた、
たまたま着込んだアーガイルのピンクのセーターで、
ジェットコースターに乗って来ます!
チャオ!!

2003年1月3日14時46分


maribikkeさんへ(モルB)

>短編にレス付けるっていうのは、野暮かしら。
>とにかく、あたしはいい気分になりました。
-----
あんなに長い文章を読んでもらってありがと!
構成も決めずにたらたら書いてしまった(^_^;)

>たまたま着込んだアーガイルのピンクのセーターで、
>ジェットコースターに乗って来ます!
-----
うそっ?!こんな寒いのにぃ!
さっき、外、雪ふってたよ・・・。

コスモランドに行くのかな?
風邪ひかないようにっ!

2003年1月3日18時35分


Re:正月・短編

るみ*2さん

うにょぉ〜ん♪
イイ感じのお話。。。と思ってるのはうちだけっ!?
何か、未来の自分ってどぉなってるんだろ??
興味がある反面、ちょっち怖い気も・・・。

えとぉ。。。
熊澤って何ですか?

2003年1月3日20時33分


るみ*2さんへ (モルB)

>イイ感じのお話。。。と思ってるのはうちだけっ!?
-----
いいのっ!一人でもいれば(笑)
載せたことを後悔する前に
感想くれて嬉しいです(#^.^#) エヘッ

>えとぉ。。。
>熊澤って何ですか?
-----
神奈川で一番ポピュラーな地酒(日本酒)。
これは、県内で飲むとおいしさ倍増という
不思議なお酒(ほんとかいっ?!)
是非神奈川に来る人がいたら薦めてねっ!

2003年1月3日21時41分


Re:正月・短編

水原 光さん

何だか続きが気になりますね〜!
っていう自分はまるで年賀状書いてません(汗)
寒中お見舞いになると思いますが
感謝の気持ちは忘れてはいけませんね。

2003年1月4日0時14分


水原 光さんへ(モルB)

>何だか続きが気になりますね〜!
>っていう自分はまるで年賀状書いてません(汗)
-----
ええ(笑)まだ下書きの段階なので。
こんな書きかけのメモがどんどん増えてくので
日記に載せてみました。

新年から長い文を読ませてしまって
恐縮です(笑)

2003年1月4日13時8分


Re:正月・短編

&ニコさん

ワォ!物語ですね。

今更ですが、明けましておめでとうございます。確かこれが今年最初のカキコですので。

たまにはいいですね、こういう日記も。月イチくらいでどうですか?

ここで一句。

年賀状 今年は3枚 あとメール(字余り

2003年1月4日0時38分


&ニコさんへ(モルB)

>今更ですが、明けましておめでとうございます。
-----
おめでとうございますっ!

>たまにはいいですね、こういう日記も。
>月イチくらいでどうですか?
-----
いや、年イチって事で・・・。
その都度日記3日休みますよ(笑)

2003年1月4日13時20分


Re:正月・短編

かしのきタールさん

タールにはにせものタールがいて、よく目撃されます。昔から。「あそこにいたでしょ。」「ここで何なにしてたでしょ。」ぜんぜん心あたりがないです。突然背中をボコンとたたかれて顔をのぞきこまれ、びっくりしていると相手の方が困った顔をして去っていったりとか。あの時など、ついに自分で「あ。アタシだ。」とか思っちゃうヒトを見たりもしてちょっとぞっとしたりとか。

ままそんなことよりも。こんなタールなんですけどどうぞ今年もよろしくお願いいたします。

2003年1月4日0時58分


タールさんへ(モルB)

>タールにはにせものタールがいて、
>よく目撃されます。
>昔から。「あそこにいたでしょ。」…ぜんぜん心あたりがないです。
-----
モルBは逆にそう言う人がいることにしてます。

ヘ(_ _ヘ)☆\( ̄д ̄*)コラ!

まずいトコ見つかったときには
「あ・・・生き別れの兄さんだ。」
と言ってその場をごまかします(笑)

>こんなタールなんですけど
>どうぞ今年もよろしくお願いいたします。
-----
こちらこそ、よろしくお願いします

2003年1月4日13時24分



Re:大変お世話になりました。

水原 光さん

こちらこそ、お世話になりましたm(_ _)m
あと少しで今年も終わり、2003年に突入です。
モルBさんにとって2003年が良い年でありますように・・・
来年もよろしくお願い致しますm(_ _)m

あ、遅くなりましたが、日記リンクに追加して下さってありがとうございます!メチャ嬉しかったです!!

2002年12月31日23時17分


水原 光さんへ (モルB)

>来年もよろしくお願い致しますm(_ _)m
-----
あけましておめでとうございます!
今年もよろしくおねがいしますね!

>日記リンクに追加して下さってありがとうございます!
>メチャ嬉しかったです!!
-----
こちらこそ、遅くなってしまって・・・。
日記リンクの件数制限が
よく分かってないもので(笑)

2003年もよろしくおつき合いの程を

2003年1月1日22時40分


Re:大変お世話になりました。 (水原 光さん)

あけましておめでとうございます〜!
って一日遅れですが^^;)
こんなアフォですが、今年もよろしく
お願い致します♪
今年もモルBさんの活躍楽しみにしております!

2003年1月3日0時22分


Re:正月・短編

♪みこさん

未来の自分に出会うなんておもしろいけど怖いなぁ〜
これ以上歳とりたくないし・・・泣!

ドラえもんのお話を思い出したのは私だけ?(爆)

2003年1月4日10時38分


♪みこさんへ(モルB)

>ドラえもんのお話を思い出したのは私だけ?(爆)
-----
え?ドラえもんの話って、
もしかして「眠り貯金箱」の話?(笑)

あ〜そんなこともあったっけなぁ・・・。

ヘ(_ _ヘ)☆\( ̄д ̄*)違うよっ!

2003年1月4日13時34分


Re:正月・短編

kazahana33さん

新年明けましたおめでとうございます。
本年も宜しくお願いします(*^_^*)

何時か会える自分?逢いたくない自分?(笑)
人は確実に年を取ります。(^_^;)では一首献上。

【悠久の時の流れを傍らに君が酒酌む初夢楽し】

2003年1月4日11時1分


萌野さんへ(モルB)

>新年明けましたおめでとうございます。
>本年も宜しくお願いします(*^_^*)
-----
おめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
今日から復帰ですね(^_^)v

>何時か会える自分?逢いたくない自分?
-----
その通りです。まだメモの状態ですけど、
テーマはそこです。
稚拙な表現で恥ずかしいですけど・・・。

【悠久の時の流れを傍らに君が酒酌む初夢楽し】
-----
嬉しいです!これもらって良いんですよね。
ありがとうございますっ!

2003年1月4日13時40分


♪みこさんの所で…

ORION☆☆☆さん

モルBさん宛てのレスに、つい、横レスをしたくなる内容のものを発見しました(事後承諾にてすみません)。

沢山の獅子を連れてきてしまったようです。
今晩、我が家は「獅子鍋」にしよう…!

2003年1月4日13時13分


ORION☆☆☆さんへ (モルB)

>(♪みこさんのページで)
>モルBさん宛てのレスに、つい、横レスをしたくなる内容のものを発見しました。
>沢山の獅子を連れてきてしまったようです。
>今晩、我が家は「獅子鍋」にしよう…!
-----
見ました見ました!
ホントそのとぉりです。うんうん。
逆にお礼を言わなければ(^_^)v

で、さっきの大群は
ORION☆☆☆さんの仕業だったんですか?(笑)

2003年1月4日13時50分


Re:ORION☆☆☆さんへ(ORION☆☆☆さん)

モルBさん
>>(♪みこさんのページで)
>>モルBさん宛てのレスに、つい、横レス…

( 〜 中 略 〜 )

>で、さっきの大群は
>ORION☆☆☆さんの仕業だったんですか?(笑)
-----
以下、Yumiさんのギリシア神話紹介サイト(私HPお気に入り登録)より引用

オリオンは海神ポセイドンとミノス王の娘エウリアレ−の間に生まれ、人並外れた
頑丈な肉体と、たぐい稀な美しさを持ち、優れた狩人としてその名を馳せていました。
ある時オリオンはキオス島の王、オイノピオンの娘メロぺを見初め、
オイノピオンに、メローペとの結婚を申し込みました。
しかし、オイノピオンはオリオンを快く思わなかったので、
「この島を荒らしている大獅子を退治してくれたら認める」と言いました。
でも、オリオンにとってその程度のことは造作もなく、たちまち大獅子を退治して、獲物を
メローぺに捧げて結婚を迫りました。

< 以 上 引 用 >

…と言う記述がありましたので、ギリシアの私の先祖の仕業と思われます (^☆^;;;;

2003年1月5日12時20分


ORION☆☆☆さんへ (モルB)

(獅子舞の群)
>オリオンは…
>…と言う記述がありましたので、
>ギリシアの私の先祖の仕業と思われます (^☆^;;;;
-----
って、事はあの獅子舞達は
楽しげにしていたんじゃなくて、
オリオンから逃げてきたんですね(笑)

逃げ切れるといいな、ししまい・・・(^o^)

2003年1月5日14時48分




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