杉真理の世界-FLOWERS-

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A Radio Story

フラワーズ(FLOWERS)

MISTONE

FLOWERという単語には「」という意味の他に「最盛期」という意味があります。このアルバムは杉さんの(この時点で)最後のソニー時代のアルバムになります。もちろん当時はそんな事思いもしませんでしたけど(笑)今、このアルバムを聴くとなんだか最後を飾るにふさわしく聴こえてくるから不思議です。収録曲の随所には「」というキーワードがちりばめられていて、本当によく練られた作りになっているのに感心します♪さて、FLOWERという単語を聞くと僕は70年代の平和主義的な運動に始まった音楽のムーブメントを連想してしまいます。このあたりは2曲目の女神のいた夏をはじめ、多くの曲のサウンドに反映されています^^ソニー時代で杉さんはポップスの可能性やキーワードやエッセンスを全て出し切ったと思うくらいに充実した音楽活動を送り、数々の名作をこの世に送り出してくれました。ここから先はこれまで手に入れた材料や技術を使って気心知れた人たちに美味しい料理をふんだんに振舞う小さなレストランを開店したというイメージなんです。だからこのアルバムには悲観的な要素は何もありません。むしろ、ファンの人たちや周りの友達に向けて「ありがとう」の気持ちを込めた「花」を贈ってくれたんだと思っています。その小さなレストランともいえるソロアルバムはこの先8年後に開店する事になるので、このアルバムは最も長い間杉さんの最新ソロアルバムという位置付けでした。


発売日


★各曲の感想★

Love is Magic(Love is Magic)

Love is Magic今回も前回同様、1曲目にはたくさんのメロディーが登場するナンバーでアルバムは幕開けを飾ります。前半は2つのメロディで展開していくんですけど、掛け合いにあるコーラスがとにかくメロディアスなのでまるでメドレーのような印象を受けてしまいます。「あ〜遠い昔に〜」の後からはギター・ソロを含めて最後までメロディの繰り返しが出てこなくなります。でアルバム全体の雰囲気を的確に1曲目から聴き手の僕達に伝えてくれます。特に最後に1回だけ出てくる[Love is magic when you believe]というフレーズがこの曲の全てを物語っていると思います。愛を信じていれば軌跡は起こるという内容の曲なんですけど、信じていれば救われるというよりは、信じるものに救われるというメッセージを感じてなりません。

お気に入りの歌詞:君が信じるなら 愛する心に 奇跡はおとずれる

女神のいた夏(Face Of Goddess)

いきなり、ビートルズサージェントペパーズのB面1曲目の様な雰囲気に面食らっていると、こんどはビコーズのようなコーラス中心のナンバーに・・・。そして、最後にはオーケストレーションに発展していくという壮大なアレンジです。このアルバムで1番最初に好きになった曲です♪コーラスは杉さんの一人多重録音!やっぱり、収録曲に1曲コレがないと♪心から愛おしく感じる女性に対する感情を叙情感たっぷりに表現した曲で、相手の存在の大切さに気が付いた瞬間の事を「天使のかけらが舞い降りた」という表現で歌っています。そして、そのかけらを宿した女性をここでは「女神」と呼んでいるんです。こんな素敵な表現聞いたこと無いですよね♪きっと、恋愛に限らず大切なものって自分の心しだいだと思うんです。はじめから大切な存在でこの世に存在していたわけじゃなくて、大切さや愛しさは自分の心が知らず知らずに温めて育て上げたものなんじゃないかと。かけがえの無いものだからこそ、馴れ合いにならないで心の中でゆっくりと光を当てているとある日突然、天使のかけらが舞い降りてくる・・・。僕はそんな風に感じました。

お気に入りの歌詞:君のまなざしに とても美しい女神が宿る時

6×6 Road(Double Six Road)

ビートルズのサウンドの要素がふんだんに閉じ込められている贅沢なアレンジの曲です。最初タイトルを見た時には物凄いアップテンポの曲だと勝手に思ってたので意表をつかれました(笑)(実は恥ずかしながら6×6 Roadの意味が分からないんです・・・。)以前の日記で書いたことがあるんですけど、6というのは海外では完全数と言われて、それを2つ掛け合わせた36は「精霊が宿る数」といわれています。でも、歌詞を読むと大人の僕と子どもの僕の対比や夢と現実の対比が登場するので、どうやら「精霊」は関係がなさそうです(笑)もしかして、シックス・センスのように「この曲にはある秘密があります、まだ曲を聴いていない人には、決して話さないで下さい」という意味だったりして・・・。えっと、曲に戻ってこのアルバムは全体的に各楽器の音が非常に聞き取りやすいんですけど、それは空間をとても大切にしたアレンジがほどこされているからだと思います。それがまた歌詞がグッと頭に入ってくる秘密になっているんだと思います。・・・それにしても6×6Roadって・・・?

お気に入りの歌詞:夏中時計はずしてすごそう 悪だくみを考えようよ

プレアデス星への招待状(Invitation To The Pleiades)

ポール・マッカートニーロッケストラのようなシャッフル・ビートの珍しいロックンロールです。曲のテーマになっているのはSFの定番プレアデス。聖書や伝説、民話などに度々登場するばかりか、宇宙人がここから来たとか、地球にコンタクトをとっている・・・というようになにかと話題になる星(星団)です。ちなみに日本語にすると「昴(すばる)」。これじゃ、「我は行く〜」になってしまいますし、昴への招待では新車の発表会になってしまいます(笑)同じ題材でも違う人が取り上げるとこれほど世界観が変わってしまう好例だと思いますよね。・・・ってちょっと強引ですね。さて、曲の内容は杉さんの原点に戻って久々に宇宙への憧れや夢を題材にした曲です。2002年の傑作アルバムLOVE MIXに収録されている「恋に落ちたなら」へ続く「科学よりも夢」路線のライン上にある曲だと思っています。

お気に入りの歌詞:ほろびかけた世界が 生まれかわるのは今

Jasmin Flower(Jasmin Flower)

5曲目にしての登場です。とても不思議な曲で、ジャスミンを擬人化しているとも取れるし、ジャスミンという女性の事を比喩化しているようにもとれます。どう聴いてもどちらにも取れるのでいっそのこと両方に解釈して聴くのが最も気持ち良く聴けるような気がします。(オイ)そういう意味では洋楽の訳詩の様な感じに近い気がします。内容はひっそりとたたずんでる美しいジャスミンを遠くから見つけているという曲です。サウンドとしてはビートルズ解散直後のポール・マッカートニー路線の曲で杉さん的にはマリ&レッド・ストライプスに収録されててもおかしくないような曲調です。ちなみジャスミンと言うと佐野元春の「ジャスミンガール」(1990年)を連想する方も多いと思います。この2人が共通のキーワードを使うとなんだか嬉しいのはきっと僕だけではないと思います。

お気に入りの歌詞:あたたかい Sunshine ふりそそぐ時は 誰も強くなれるけど

パピヨン(Papillon)

Papillonそして、花の次は「蝶」。英語ではbutterfly、パピヨンはフランス語です。1993年6月21日に24枚目のシングル、Love is Masicのカップリングとして発表されました。幻想的な歌詞と現実的な歌詞が交差してとても不思議な世界を醸し出している曲です。それこそ聞き手が蝶の様に自由に様々な世界を行ったり来たりしている気になってきます。僕の個人的なイメージはオフィスで頬杖をついてうたたねしているOLに向かって杉さんが歌いかけている画像が頭から離れないんです^^またもや大人になったLonely Girlとここで再会してしまいました。この曲を聴くと午後の日差しを浴びた書類の中にもパピヨンを見つけられるような自由な心でいることがなにより大切だと気付かされます。

お気に入りの歌詞:このごろ疲れているのかい 忙しすぎだよ

君と浜辺を(Song Of Legian Beach)

珍しく3拍子の曲です。タイトルだけを見た時には「渚の願い」の様なオールディーズ路線の曲を勝手にイメージしていたので今でも時々この曲のタイトルを忘れてしまう時があります(笑)ビートルズの「Good Night」を思わせる優しさに満ち溢れた曲でメロディーの美しさが際立ちます。歌い方もあると思うんですけど、この曲の杉さんの声って僕の一番よく知ってる杉さんの声の様な気がするんです。スインギーの頃の声や魔法の領域の時期の声もすべてこの曲の歌い方の中に含まれている気がするんですよね。ま、同じ人物だから当たり前なんですけど(笑)人の生まれ変わりと海とのイメージを重ね合わせて表現している曲で、ミストーン収録のIt's Timeから続く廻り会いの神秘を喜びに変えるそんな曲です。

お気に入りの歌詞:遠いいつの日にか 生まれ変わっても 君とこの浜辺 歩きたいよ

ヴィーナス(Venus)

venus女神のいた夏に続き、2回目の女神の登場です。かけがえなさを宿した女性を女神と呼ぶのなら、その女神のことを思いっきりポジティヴに愛するために自分は生まれて来たんだと歌います。そして「愛されている事を世界中に胸をはっていいよ」とも歌っています。サビの部分のEveryday, Everynight, Everytime, Everydream(昼も、夜も、いつでも、夢の中だって)というフレーズにもその純粋なポジティヴさがあふれ出ている気がします。杉さんの曲にしては珍しいサビの雰囲気を持った曲で、今までの曲って歌い出しに一番のインパクトがあって、サビはわりとサラッと流す路線の曲がメインだったんですけど、この曲はアレンジも含めてかなりシングル向きの親しみやすいJ−POP調の曲に仕上がっています。この曲を聴くと僕の頭には谷村有美のイメージが広がってしまうんです(笑)彼女に歌わせたらこの曲ってぴったりだと思いませんか?この曲は1992年11月21日に23枚目のシングル「Best of my love」のカップリングとしてアルバムに先立ち発表されました。このシングルは純粋に愛を描いた最強のカップリングだったと僕は思っています♪

お気に入りの歌詞:いつも君は愛されていると 世界中に胸をはっていいよ

ヒッピーガールとシティボーイ(Hippy Girl & City Boy)

今回のアルバムはタイトルの凝った曲と単語ひとつのシンプルなものにわかれるんですけど、この曲もタイトルだけでは曲調が分かりにくい曲です。この曲で出てくる花のキーワードは「ヒッピー」。70年代の音楽のムーヴメントのひとつ、フラワー・ロックの要素をふんだんに取り入れた曲です。白井良明松尾清憲というおなじみのコンビが醸し出す音世界は世界に誇れるものだと思っているんですけど、今回その音世界を杉真理+嶋田陽一コンビの味付けにつかういうぜいたくな作りになっています。イントロだけだとBOXの曲、本編は杉さんのソロ、間奏は松尾清憲のソロの曲にも聞こえるというユニークな展開になっています。自由奔放なヒッピーの彼女と平凡なシティーボーイのカップルが価値観の違いを克服していくという歌で、最後にはその価値観が逆転してしまうという何とも考えさせられる内容になっています。

お気に入りの歌詞:生き方は違うけど どこかひかれあってた

さよならFunny Face(Good-bye Funny Face)

オードリー・ヘップバーンが亡くなった時に書かれた曲です。オードリーヘップバーンと言うとBOXの「魅惑の君」を思い出してしまうのは僕だけではないと思います。曲中にヘップバーンの映画のシーンがちりばめられていてそれがまた切なさをかきたてる要素になっています。悲しみを前面に出さずにサラッと歌い上げる所に杉さんの人柄が滲み出ているようでまた切なくなってきます。ヘップバーンに憧れる女性って多いと思うんですけど、男性のシンガーでこれほどまで彼女への愛おしさや憧れを歌った人ってあまり居ないんじゃないでしょうか。また、杉さんがヘップバーンを好きだというのって凄く似合うんですよね^^実を言うと僕がヘップバーンの映画を観たのもそんな杉さんへの憧れからでした(笑)Flowersと名付けられたこのアルバムの中でこの曲は「」の部分をキーワードにしたのかもしれませんね^^

お気に入りの歌詞:窓に腰かけ ギターを弾いてた その歌声と 生き方が好きさ

World of Love(World of Love)

前作のアルバムタイトルがなんとここに登場です。しかも最後の最後に(笑)それは前作の「World of Love」のレコーディング終了後に書かれた曲で、ライナーによるとバリ島で見た不思議な夢をイメージしたということです。初めて聴いた時にはそんな事を知らなかったので歌い出しの「美しい所へ連れていってあげよう」というフレーズにビックリした記憶があります。杉さんって今まであんまりそういう事をはっきりとは歌詞には書かなかった様な気がしたんです。「美しい所へ連れていっておくれ」という感じを勝手にイメージしてたんでしょう(笑)何度聞いても最初の「美しい所へ連れていってあげよう」以外の歌詞が入ってこなかったんです。でも、後日ライナーを読んだ時に杉さんが夢で見たその風景の美しさを伝えたくて作ったというのを知った時に気持ちが晴れやかになったんです^^それまでは杉さんが自分自身の事を振り返っている曲だと思っていたんですよね(笑)曲の生い立ちを知ってからは歌詞にでてくる単語を一つ一つイメージしながら曲を聴くことにしました。すると僕の心の中だけに描かれる世界にひとつだけの「World of Love」を感じることが出来たんですよね。歌詞の通りに僕の世界をもう1度見渡してみた時に「美しい所」に連れていってもらえたんです^^このアルバムは決してリピートをかけないで、この曲の終りの余韻をゆっくりと味わってほしいと思います。

お気に入りの歌詞:美しい所へ 連れていって あげよう


収録曲目

太字はシングル曲、Bonus Tracksは2008.03.19の再発盤のみの収録です。

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