杉真理の世界-SABRINA-

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A Radio Story

サブリナ(SABRINA)

SABRINA

杉さんが東洋の片隅で生まれた1954年はアメリカやイギリスでロックン・ロールが産声を上げた年です。そしてその同じ年に製作された映画が「麗しのサブリナ」でした。「SABRINA」は杉さん個人の事を最も感じる事の出来るアルバムだと思っています。このアルバムはA面の最初の2曲とB面の最後の2曲がテーマになっているという、ちょっと変わった曲編成ですけど個人的にはSYMPHONY#10の次くらいに好きなアルバムです。このアルバムを最初に聴いた時になんだか杉さんの決意のようなのもを感じました。当時はメッセージ性の強い音楽に人気が高まっていた時期なんですけど、その風潮に対して「自分はロマンチックでいたい」と意思表示したアルバムだと思っています。このアルバムはSONG WRITERからSYMPHONY#10までの全5枚の全ての曲調と新しい作風の両方を楽しむ事が出来ます。それはまるでビートルズホワイト・アルバムの様でもあります。きっと1枚もシングルを切らなかったのも特定の曲のイメージを先行させたくなかったからなんでしょうね。そしてここが杉さんの第2期の世界と第3期の世界の境目だと勝手に解釈しています(笑)アルバム・タイトルの「サブリナ」に込められた杉さんの思いは「生まれながらにして赤い糸で結ばれているけれど、出会えるか出会えないか分からない何か」です。そう、サブリナは杉作品の中でもっともロマンチックなアルバムです!


発売日


★各曲の感想★

Japanese Boy(Japanese Boy)

杉さん自身がモデルになっている曲です。杉さんが影響を受けた1964年のビートルズのアルバム「A Hard Days Night」や、デビュー時のバンド名「レッド・ストライプス」などが曲中に登場します。松尾清憲の参加によってこれまでに無い雰囲気のポップに仕上がっています。アルバムの解説のところで「SONG WRITERからSYMPHONY#10までの全5枚の全ての曲調と新しい作風の両方を楽しむ事が出来る」と書きましたが、この曲はずっと先に行ってその先の予言までしています(笑)ちなみに最初に聴いた時は途中から始まってる気がして、レコードの針を何度も落とし直した記憶があります(笑)この曲の元になったのは1986年に渋谷のエッグマンで安部恭弘氏と村田和人氏と一緒にプレイした「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(ビートルズの曲)」。言われてみれば間奏などにその雰囲気を感じる事が出来ます。

お気に入りの歌詞:遠い国で Rock'n Roll 生まれた頃に 東洋の片隅で 彼は生まれた

ほこりだらけのSummer Place(Summer Place)

この曲で歌われているSummer Placeは「避暑地」ではなく「歳をとらない場所」。杉さんにとってのSummer Placeといえるロックン・ロールの数々が曲中に登場してきます。軽く触れておくと、「Day tripper」はビートルズの1966年のヒット曲。「C.C.R.」はロック・バンドのクリエデンス・クリアウォーター・リバイヴァルの略称。「born to be wild」はステッペン・ウルフの1968年のヒット曲で邦題は「ワイルドで行こう」。「サティスファクション」はローリング・ストーンズの1965年のヒット曲。「E.L.O.」はエレクトリック・ライト・オーケストラの略称。「スロー・ダウン」もビートルズの曲で「悪魔とモリー」はミッチー・ライダー&ザ・デトロイト・ホイールズの1966年のヒット曲。「fan fan fan」はビーチ・ボーイズの1964年のヒット曲で大瀧詠一の「FUN×4」でもパロディされてました。「クロコダイル・ロック」はエルトン・ジョンの1973年のヒット曲・・・という具合に洋楽ファンはニヤッとせずにはいられない歌詞になっています。そして最後のMSBは「Masamichi Sugi Broadcasting」(笑)アレンジのところのDIAMONDSは見砂氏、岡沢氏、中西氏、鈴木氏の頭文字をとったMONSをもじったものです。

お気に入りの歌詞:M.S.B.なら it's OK 何もいらないさ

Rumbling bird(Rumbling bird)

リンダ・ロンシュタットの「スカイラーク」からインスパイアされた曲で鳥の目から見た世界が歌われています。曲調や使われている音からいくとOVERLAPナイアガラ・トライアングル辺りに入ってても違和感の無い曲ですけど逆に歌詞の方は新しい作風になっています。この曲だけじゃないんですけど、杉さんの曲って間奏を絶対におざなりにしないのが好きなんです。この曲の間奏も涼しげで曲に欠かせない要素になっていますよね。間奏を含めて1曲。間奏をこんなに素敵に聴かせてくれるアーティストってなかなかいないですよね。

お気に入りの歌詞:おかしなこの世界で 虹をさがすのさ

恋する0.1(Love in 0.1)

久しぶりに杉さんの1人コーラスの聴ける曲です。セイラウェイも好きですけど、1アルバムに1曲は杉さんによる多重コーラスの曲が欲しいですよね♪「プレゼントの・・・」のところのハモリや「When you・・・」のところで何故かOVERLAPの「Downsloped Way」を思い出してしまったのはビートルズ調のポップスだからでしょうか。歌詞の内容は視力の悪い女の子に対するラブ・ソングでSYMPHONY#10収録の「彼女のイミテーション・リング」のような距離の近い世界観が展開されています。杉さんのこの「春が来て君は」から続くこの路線が実はすごく好きなんです。この世界はこの後も「最後のメリークリスマス」や「Romancing Story」に引き続いていきます♪

お気に入りの歌詞:君は目が悪いから どんな時も 幸運という名のバスを のりすごしてる

Starship(Starship)

ハイファイセットに書いた曲のセルフ・カバー曲です。しかもアルバム「MISTONE」を思わせる宇宙シリーズ。今回は「スクールベルを鳴らせ!」に日常的な接点を持たせたような作品になっています。ちょっとクラシカルな雰囲気がE.L.Oを連想させてくれますよね♪曲の内容は幼い子供が絵本を開くシーンと、夕暮れのオフィスで仕事に追われている大人の2つのシーンがあって、この2つが最後に1つになるという風にも取れるし、別々の独立した話とも取る事も出来るんです。「二人には時間がない」と違ってこの曲は「僕」が遠い視点から「君」を見つめているという設定なのでその分自由なんです。「何億回ものすれ違いの後」と言うのが素敵な表現です。

お気に入りの歌詞:何億回ものすれ違いの後 今夜 むかえにきたんだ

Second chance(Second chance)

エリック・カルメンの「オール・バイ・マイセルフ」を彷彿させる様なラブソングです。別れた恋人ともう1度やり直したいという内容の曲ですけど、どちらかというと別れて初めて彼女の存在の大切さに気がついたという感じがするんです。語り過ぎない歌詞が逆に切ないんです。実は「サブリナ」で最初に好きになった曲で、初めて聴いた時に胸がキュンと来て不覚にも涙があふれてきました。「Hold On」と並んで日本POPS史上最高ランクに属する曲だと思っています。舞台はわが町、横浜だし(笑)間奏のギターも含めて全てが美しいんです。

お気に入りの歌詞:君はそんなに強くないから ずっとそばで守ってあげたかったんだ

Home Townに帰りたい(Home Town)

最初聴いた時はなんだかしっくり来なかったんです。B面の1曲目は「サスペンス枠」だと思ってたからかも知れません(笑)タイトルのHome Townは「生まれた所」と言うよりも「本来の場所」というニュアンスのHome Townなんだと思うんです。野球で言うホーム・グラウンドみたいな・・・。そう思うと曲の内容がスッと入ってきます♪曲順については後の「Lady numbers」で詳しく触れていますので、そちらの方で♪

お気に入りの歌詞:暮れかかる遊園地は 放課後のにおいがしていたのさ

Weekend lover(Weekend lover)

オールディーズっぽい曲だと思ったら実際に作られたのが1979年位との事。「懐かしき’80」風のサウンドに乗せて浮気な女の子に振り回される主人公の様子が歌われています。この曲を聴くとウッディ・アレンの「ブロード・ウェイのダニー・ローズ」を思い出しちゃうんです。全然違うんですけど(爆)ちょうど、レッド・ストライプスが解散した頃に書かれた曲という事になります。途中の割り込み電話のダンディーな声はハイファイセットの大川氏。女性の方はブレッド・アンド・バターの幸矢氏の奥さんのマナさん。マナさんはポプコンで佐野元春のバック・コーラスをしていたボーカリストで、その日に出場していた杉さんのバック・コーラスが竹内まりや・・・。なんとも豪華な回だったんですよね(笑)途中の歌詞の「ここはマンハッタンじゃないんだぜ」を聞くと杉さんが以前やってた佐野元春のモノマネを思い出します(笑)

お気に入りの歌詞:あの娘にはたくさんの恋人がいて お前にはたくさんの仕事がある

Lady numbers(Lady numbers)

この「サブリナ」では今までの音楽キャリアの全てをぶつけてるという位豪華な曲調のオンパレードなんですけど、ここで真打ちの「ビートルズ」風のポップ・ナンバーが再登場します。杉さん以外の人がビートルズ風の曲を作ると大体がマイナー調なんです。杉さんの場合は数少ないメジャー調のビートルズ・サウンドを操れる達人なんです。その達人がマイナー調のビートルズ風のサウンドを作るのはお手の物♪今回はアルバム「リボルバー」のような感触の曲に仕上がっています。でも不思議なのはこの曲、今までなら絶対にB面の1曲目に来ていたはずの曲ですよね。試しに当時、この曲をB面の1曲目に持って来た曲順を考えたことがあるんです。大きなお世話なんですけど(笑)「Lady numbers」がB面の1曲目なら次は「サブリナ」。その次に「My idol」以外の曲を・・・と思うと「Rumbling bird」・・・。じゃ「Lady numbers」→「Weekend lover」→「恋する0.1」・・・と、結局色々試した結果、この曲順以上の曲順は無かったんです・・・。当たり前の話ですけど(笑)

お気に入りの歌詞:君の正体はただの 寂しがりやさ

サブリナ、きみのことさ(Sabrina)

このアルバムの中で唯一日本語だけで書かれた曲で、本アルバムのタイトル・トラックになります。映画館での光景を繊細なタッチで描いた名作です。映画館で泣いている女の子と僕の様々なストーリーが頭の中を巡ってきます。例えば映画館で別れる2人かも知れないし、たまたま隣に居合わせた女の子に運命的なものを感じながら言い出せず別れていくのかも知れない、それとも・・・という具合に。グレン・ミラーを思わせるサウンドに心がポカポカと温かくなります。この曲も大好きな1曲です♪

お気に入りの歌詞:二時間の映画のように 三分の歌のように 恋はほらひとときで 終わってく

My idol(My idol)

ナイアガラ・トライアングル収録の「Nobody」以来のジョンの事を歌った曲です。今回はビートルズ風ではなくてフリート・ウッズ風。曲中にはビートルズの曲のタイトルである「Twist & Shout」「Let it be」「Yesterday」というフレーズが出てくるんですけど、不思議な事にジョンの書いた曲じゃないんですよね。あれ・・・と思ってると最後に出てくるんです、ジョンの曲が。エンディングのフレーズのところで「愛こそは全て」のフレーズがチラッと顔を見せます♪本当にニクイ演出だと思います。曲の内容は杉さんのジョンに関する想い出が歌われています。

お気に入りの歌詞:悲しまないで あきらめないで 明日になればすべてうまく行くさ


収録曲目一覧

太字はシングル曲、Bonus Tracksは2007.03.21の再発盤のみの収録です。

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