杉真理の世界-SYMPHONY#10-

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A Radio Story

シンフォニー#10(SYMPHONY#10)

SYMPHONY#10

まず、最初に。このアルバム一番好きなんです♪誰がなんと言おうとも!・・・って、誰もなんとも言わないですよね普通(笑)そして、このコーナーのタイトルにも使われている”A Radio Story”も、このアルバムのブックレットから取ったタイトルです。お気づきの方もいたかも知れませんけど♪ジャケットのMSBMasamichi Sugi Broardcastingの略でアルバムそのものがラジオ局のイメージなんですよね。このアルバムが出た頃に杉さんがわが町のFM局で番組を持っていたこともあってこのラジオ局のコンセプトがたまらなく気に入ってるんです♪で、当時の番組の雰囲気がそのまま出たアルバムだと思っています。僕にとって一番杉さんが近くにいてくれた時代のアルバムの様な気がしています。(事実すごく近くにいたんですけど(笑))最後にこのアルバムにまつわる思い出を1つ。この頃は僕の周りでもっとも杉ファンがたくさんいた時期で、このアルバムの発売日には僕の家に何人もの人が来てこの「SYMPHONY#10」の試聴会を開いた記憶があります。それぞれが色んな曲に思い思いの感想を言いながら、この「SYMPHONY#10」何度も聴きかえしました。だからこのアルバムを聴くと今でも当時の仲間達のにぎやかな声が聞こえてくるような気がします。僕にとっての「SYMPHONY#10」は杉さんのアルバムの中で唯一多くの人と聴いたアルバムなんです。


発売日


★各曲の感想★

アニーよ目を覚ませ!(Anny,Wake Up!)

ビートルズGot to get you into my lifeや初期のシカゴを思わせるようなブラス・ロックの雰囲気にビートルズペニー・レインの要素も少し入ったナンバーです。この曲は当時、FM横浜の杉さんの番組「マジカル・ポップ・ツアー」のオープニング・テーマでした。この、マジカル・ポップ・ツアーは月〜金の夕方4時から毎日30分間の放送でした。(しかもCMなし!)スポンサーが付いていないのにマクドナルドのCMのジングルを担当してた楠瀬誠志郎がゲストに来た時などは「ごめんね〜ウチ、ロッテリアの提供なんだ・・・。」などと意地悪なことを言って困らせたりしたのが印象的でした(笑)さてさてこの曲、タイトルから連想するのは「アニーよ銃をとれ(Annie Get Your Gun)」なんですけど、曲の内容はアニーという女の子を励ます抽象的な内容で、むしろミュージカル「アニー」の夢と希望を忘れない明るい女の子イメージに近いものを僕は感じてしまいます。でも正解はどっちでもなかったりして(笑)2分50秒のところのAnny〜の歌い方に気合が入っててドキッとします。

お気に入りの歌詞:誰かの悲しみや夢まで 背負いこんでいるのかい

K氏のロックン・ロール(Mr.K's Rock'n Roll)

杉さんが小林克也さんによく鍋物をご馳走になるお礼に書いた曲です。だからK氏のロックン・ロール。ケーシー・高峰だと思った人はハズレです(笑)実はこのアルバムラジオがコンセプトっぽいんですけど、ラジオの事に触れている曲ってこの曲と次の「Key Station」だけ(爆)でも、そう思えてしまってるのはおそらく「マジカル・ポップ・ツアー」の影響が大きいんだと思います。(きっと今の世代の人が聴いたら「何故ラジオ?」ときっと思うでしょうね)さて、当時この曲で一番話題になったのが「〜時間だぜ」のフレーズ。杉さんから「〜だぜ」はちょっとビックリだったんです。佐野元春ならなんとも思わないのに(笑)実はこの時期位から杉さんにはハードな曲調を試す動きがあった様な気がするんです。事実、次のアルバムの『サブリナ』でも2曲目に今回のようなロックン・ロールを持ってきています。きっとポールだけじゃなくジョン的な事もやりたかったんだと僕は思っています。でも結局この試みが上手く行かなかった事が後のBOXを生み出す事になると思ってます。そういう意味では重要な曲なのかも知れません。

お気に入りの歌詞:この世界を変えようなんて思わないけど

Key Station(Key Station)

Key Station日本の歌なのに曲中に海外のアーティストばかりの音楽界に挑戦状を叩きつけた曲です(笑)と、言うのは言いすぎですけど、この曲にはオリビアもビリー・ジョエルも出てきません。出てくるのは山下達郎浜田省吾といった杉さんが好きな国内のアーティストばかりです。机の上の小さな箱(ラジオ)から始まった杉さんの夢を、今度は送り手になってみんなに届けるという内容の歌です。登場するアーティストを挙げておくとドリーマーズ山下達郎松任谷由美ナイアガラ(大瀧詠一)伊藤銀次浜田省吾佐野元春。特に伊藤銀次浜田省吾佐野元春の3人は声でも参加しています♪あと、注目すべきが大瀧詠一の表現。さすがに呼び捨てにするわけにもいかず「ナイアガラ」にしたんでしょうね(笑)で、こういう事を歌いたいという気持ちが強かったからか、この曲、おそらく詩から作られている様な気がします。メロディーの構造からそんな感じがするんです。漠然とした根拠しかないんですけど・・・。あと、杉さんの曲にしては珍しくサビが長いんですよね。そういう意味でも特別な想いを感じる事が出来る気がします。この曲は1985年8月25日に13枚目のシングルとしてアルバムからカットされました。

お気に入りの歌詞:言葉が足りなくて 助けられないなら 友達の歌を聞いておくれよ

僕のシェリーと少し(My Shelly)

ヒューマン・リーグの「ルイーズ」にインスパイアされたといわれる曲です。杉さんの曲にしては珍しい3連の曲。意外にありそうに感じるのはこの曲の様に印象的な曲が多いからでしょうね。昔好きだった女の子と再会したという内容の歌で、その娘のいつまでも変わらないところを探して見つめようとする主人公の姿がけなげです。この曲は前作のスターライトラプソディーで培った古い映画を思わせる世界観が見事に表現されています。サビの「♪My Shelly〜」のフレーズがなんとも言えず絶品です!このアルバムのコーラスは今までとは違って杉さんの1人コーラスではなくほとんどがセイラウエイの3人によるもの。特にこの曲におけるコーラスの立体感は杉作品の中でも3本指に入るほどの完成度だと思っています。

お気に入りの歌詞:言葉がとぎれても 知りたくないこと 口にしないで

恋愛狂時代(Loverush Age)

Hi-Fi SETのアルバム用に書かれた曲で、実に「Hold On」以来のセルフカバー曲になります。しかも、女性が主人公というのも珍しいですよね。杉さんのラジオでは気を使ってかHi-Fi SETの方が良くかかってた様な気がします。気のせいかも知れないですけど(笑)収録を決心したのはこの曲を1984年のクリスマス・コンサートでやったのがきっかけだったらしいんですけど、確かにサウンド的にはこの翌年に出る「ウィンター・ラウンジ」を思わせる雰囲気があります。曲の内容は主人公の女の子が密かに想いを寄せる彼が違う女性に弄ばれてしまうのを心配しながら遠くで見ているという歌です。

お気に入りの歌詞:本当の恋は スマートじゃないわ そう 憶えてて 大切な人

交響曲第十番(Symphony#10)

ソニー移籍後のアルバムでは初めてのアルバムのタイトル曲になります。しかも、今回は歌詞の中に1度もアルバム・タイトルが出てこないんです。Overlapから続いたシリーズがココで1度途切れるんです。当時はガッカリした記憶があります。毎回楽しみにしてたので(笑)自宅で見た「プリズナーNo.6」とベートーベンの「田園」からインスパイアされた曲です。さらに映画「アマデウス」を見たときの「モーツァルトがニュー・ウェイヴならベートーベンはポップスだな」という思いもミックスされています。どうです?いいでしょ?この感性!ちなみにタイトルの交響曲第十番の意味はベートーベンが作った第9番までのシンフォニーに続く10番目という意味。つまりこのアルバム・タイトルの本当の意味は「音楽ファンの夢」ということになります。

お気に入りの歌詞:誰の味方でもない 僕は 自分の味方さ

Sentimental Dancing(Sentimental Dancing)

Sentimental Dancing当時花王ピュア・シャンプーのCMソングとしてオンエアされていた曲のアルバム・バージョンです。CMバージョンはテンポが抑え目なのが印象的でした。CMの女の子もチャーミングだったし♪しかも、SYMPHONY#10の曲の中で最初にリリースされたのが実はこの曲です。「Key Station」のB面として発表される4ヶ月前(アルバムに先立つ事2ヶ月)に実は杉さん初の12インチシングルである「I DON'T LIKE POPS」に収録されていました。実はCMも「I DON'T LIKE POPS」もサビだけだったのでこの曲を聴いた最初の感想は「長い」(笑)でも逆にこれまでのアルバムの中でサビの長い曲が多いこのSYMPHONY#10の中でもっとも杉さんらしい展開の曲とも言う事の出来る曲です。華やかに思えた二人の過去を思い返す内容の曲で、それがちっとも湿っぽく歌われてないのが素敵です。

お気に入りの歌詞:若すぎることが なんだかくやしくて 君を傷つけた

彼女のイミテーションリング(Imitation Ring)

久しぶりのオフィスレディーの曲。Simulation Gameやセリーナに比べてグッと登場人物が身近になりました。ちょうど似たような曲調のジングルがFM横浜にあったのを思い出します。(ERIさんによるジングルで一番好きなジングルでした。パルン♪パルン♪エフエム横浜〜♪パルン・・・ってのでした)恋に恋する女の子の事を見守る「僕」の視線で書かれた曲です。「僕」の視線で切り取られた物語と言ってもいいかも知れません。このアルバムからどんどん主人公が身近な存在になってきます。「OVERLAP」で変化した歌詞の世界がここでもう1度進化を見せます。次回作の「サブリナ」に収録されている「恋する0.1」に続く曲調ですよね♪当時僕らの間では一番人気の曲でした。

お気に入りの歌詞:彼女は今でも まだ よく笑う女の子 だけど本当は・・・

無実のスーパーマン(Innocent Superman)

最初の歌詞は完全なスーパーマンの歌詞だったのに書き直しているうちにドジで一言多いクラーク・ケントになったそうです。この曲もSentimental Dancing同様、「I DON'T LIKE POPS」に収録されていたナンバーのアルバムバージョンです。MISTONE収録のDavy's Devilに近いサマー・ソングです。ふとした一言で駄目になった2人の関係を必死に修復しようとしてる男の姿が歌われています。アルバムSYMPHONY#10が今までと一番変わった点はタイトルのつけ方にあると思っています。例えばこの曲、今までならきっと英語タイトルはMy Girlになってたと思うんですけど無実のスーパーマンを訳したInnocent Supermanになっています。実は曲中にタイトルの出てこない曲が意外に多いんですよね。ちなみにInnocentには無実の他にお人よしとか、無邪気なという意味もあります。そういうニュアンスをひっくるめて詩を読むとまた1歩内容が分かりやすくなりますよね。

お気に入りの歌詞:あの娘より君のほうが グラマーだなんて それだけの意味さ

Crying Angel(Crying Angel)

Crying Angelこの曲を作っているときに加山雄三氏との対談があって日本の湘南サウンドオールディーズについて盛り上がったそうです。そうして形になったのがこの曲。本当は山下久美子に書き下ろしたのにボツにされたため自分のアルバムで歌うことにしたそうです。間奏のギターは杉さん本人が弾いています。この曲も「I DON'T LIKE POPS」に収録されていた曲で、なんとオープニングナンバーとして使われていました。そしてその他にも「Have A Hot Day! 「GOLDEN J-POP THE BEST」「POP'N'ROLL PARADISE」「DREAM PRICE1000いとしのテラ」の4つのアルバムに収録されています。このアルバムのバージョンとは違いますけど1987年の6月21日には17枚目のシングルMelting Worldのカップリングとしても採用されています。ひょっとして一番杉作品の中でもっともレコード化されている作品かも知れません。

お気に入りの歌詞:好きと言えずに 君を見てたよ してあげること 何かないのかい

永遠のShangri-la(Miracle)

いとしのテラ」と同時期に作られた曲なのでどこと無くこの曲だけMISTONEの雰囲気が漂ってくる1曲です。映画好きな杉さんらしく最後はエンディングに相応しい曲を必ず最後に持ってきますよね♪この曲でも目を閉じると映画館のスタッフ・ロールが目に浮かんでくるようです。曲の内容としては前作のIt's Timeの延長線上にあるような世界観の歌で、この広大な宇宙の中でめぐり合えた奇跡をたたえています。それぞれ違う時間を持った人たちがある時期に同じ時間を過ごして、そしてまたもとの時間に戻っていく。そのめぐり逢えた事の奇跡はもちろん、めぐり逢えたこの場所をShangri-la(理想郷)と呼ぶのは杉さんが出会ってきた人たちへの深い愛情があるからなんでしょうね。

お気に入りの歌詞:この星で 君にめぐり逢えたこと


収録曲目一覧

太字はシングル曲、Bonus Tracksは2007.07.25の再発盤のみの収録です。

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