杉真理の世界-WORLD OF LOVE-

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A Radio Story

ワールド・オブ・ラブ(WORLD OF LOVE)

World Of Love

 よく、友人に中古CDショップで杉さんのCD見つけたけど、買わなかったという話をされます。僕みたいな杉ファンに携帯で「これお奨め?」と聴くと必ず「うん」と答えるから当てにならないそうです(笑)だから最近は「杉さん本人の写真がジャケットに写ってるアルバムにはハズレがないよ」と言うようにしています。おかげで僕の知り合いの中でこのアルバムの所有率が意外に高いんです。発売当時は誰も持っていなかったのに(笑)アルバム全体としては今までにも増して超POPな作品に仕上がっています。特に豊富に展開する曲が多いんです。詩の方も充実していて、このアルバムから新境地に達した感があります。日常的な表現とPOPS特有の表現が杉さんを通して見事に融合しています^^メロディーが詩を生かし、詩がメロディーに深みを与えているんです。すごいでしょ?(笑)アレンジは前作同様ほとんどの曲を嶋田陽一が担当しているんですけど、『恋するモナリザ』『シネマは踊る』『夏休みの宿題』『夢のMexico』『That' my Job』『虹を見たかい』などこのアルバムを特徴付ける曲に佐橋佳幸が参加しているのも興味深いです♪また、「夏休みの宿題」や「That's my job」のように曲によってレコーディング方法を変えるなど、このアルバムにはこの時点で考えられる全てのPOPSの要素が惜しげもなくふんだんに詰め込まれています。総評としては『World Of Love』はPOPSのバトンを誰も受け取ってくれないのならそのままゴールまで僕がバトンを持ったまま走っちゃうよ!という意気込みを聞き手に感じさせてくれるそんな頼もしいアルバムです♪(POPSの世界ではすでに独走状態ですけど^^)


発売日


★各曲の感想★

You are so beautiful(You are so beautiful)

Welcome to My Worldイントロだけを聴くとコーラスにBOXの「魅惑の君」を連想させるんですけど本編が始まると一転、パワーポップに。その後も次々と新しいメロディーが現れて曲が進んでいきます。「♪You are so beautiful〜」のメロディーがその多くのメロディーを橋渡しする形になっています。コレだけメロディーがコロコロ変わると杉さんの声の魅力がストレートに伝わってきますよね。この声を持って生まれてきたというだけで、杉さんに「You are so beautiful」と言いたくなります(笑)さらにニクイのはエンディングになってもう1度イントロのフレーズが登場する構成。曲を全部聴き終わってイントロの意味を知るんですよね^^しかも、1番が終わってすぐに間奏に入るから長い後半は歌い通し。こういう曲作りって構成力がかなり必要とするんですけどそこは、杉さん、さらっとやってのけてます。曲はMistoneから続く宇宙ものなんですけど、SFっぽさよりもむしろ大きな視点で世界を讃えてる曲になっています。「You are so beautiful」というのは「この美しい星の輝きには君の輝きも含まれているんだよ」という意味だと僕は解釈しています^^曲中には出てこないんですけど、『WORLD OF LOVE』のタイトルナンバーということが出来ると思います。(実際には次のアルバムにWORLD OF LOVEという曲が収録されるんですけど・・・。)この曲は1992年6月21日に22枚目のシングル「夏休みの宿題」のカップリングとして発表されました。

お気に入りの歌詞:忘れないで この世界は 愛でつくられたこと

Welcome to My World(Welcome to My World)

1曲目の続きともいえる詩の世界ですけど曲調は80年代のポール・マッカートニー調のミドル・テンポのポップです。以前、『Ladies&Gentleman』の「My Little World」の所でも書きましたけど杉さんの使うWorldという単語には特別な意味が含まれているような気がします。地球儀的な意味よりももっと大きな、宇宙よりも大きな・・・。人の心さえも含めた世界観がWorldという単語の表れている気がします。この曲を初めて聴いた時に「あなた達」や「〜です」という表現にすごく新鮮さを覚えた記憶があります。詩の内容は星の彼方からこの地球にやってきた何かに地球を紹介する歌なんですけど、これって生まれてくる子ども達に向けた歌だと思うんです。あなた達の生まれてきた地球はこんな場所なんだよと言う風に杉さんが歌っていると思って詩を読み返すとなんだか自分が人に優しくなれる気分になります。この曲が世に出た時に生まれた子どもも今年で15歳。この地球の住み心地はどうなんでしょうね^^

お気に入りの歌詞:冒険が好きで 不思議が好きです

恋するモナリザ(Monalisa in Love)

3曲目で杉POPの真骨頂が登場。モナリザに対して「君はモデルじゃないし 目立つ方じゃないけれど・・・」という歌詞が微笑ましいです(笑)この曲のテーマは「恋する女性は美しい」です^^杉さんの曲全般に言えるんですけど、飾り立てた美しさをあまり取り上げないんですよね。この曲のイントロで歌われているコーラスのフレーズも「She'll be a super naturai girl」。スーパー・モデルさえもスーパー・ナチュラル・ガールにはきっと敵わないんです。臆病で目立たない女の子が恋をしたときに見せる微笑が世界中の人を魅了するんですから。杉さん流に言えば女性ならきっと誰でもモナリザになれるということなんでしょうね^^

お気に入りの歌詞:誰かを愛するってことは どこにも逃げたりなんかせず だめな自分も愛すこと

シネマは踊る(Swing with Cinema)

僕が一番好きな曲調です。こういうタイプの曲を書けるのは日本では杉さんだけなんじゃないでしょうか?最初はピアノのストロークと歌だけなのにメロディーと声だけで空間の色さえセピア色にも変えてしまうくらいの世界観を演出しています。もちろん最初にお気に入りになりました♪ムービーじゃなく、フィルムじゃなく、シネマというのがまた良いんですよね^^歌詞の中にも登場しますけど「踊るリッツの夜」という曲があるんです。明るんだか暗いんだかよく分からない曲なんですけど、確かにこの曲もそういう雰囲気がします。曲中には映画にまつわる単語がたくさん散りばめられていて、それだけで心がときめいてきます^^曲の内容は映画を観ながら様々な経験を疑似体験していく2人の物語。ウッディ・アレンの映画の世界を3分半で表現しています。これぞ、POPSの醍醐味!ちなみにコーラスでタケカワユキヒデが参加していると言うのもちょっと注目です。

お気に入りの歌詞:ふたりはシートに座ったままで いろんな人生送った

夏休みの宿題(Homework of Summer)

夏休みの宿題このアルバムのクライマックスの登場です!!ここで展開されるのは杉さん風の「ウォール・オブ・サウンド(音の壁)」。今までやっていたようで実は初登場のサウンドなんですよね。ひょっとして「ウォール・オブ・サウンド」の代名詞である大瀧詠一山下達郎が大々的にやっていたので意識的に避けていたのかもしてません。この曲の豪華なサウンドの正体は左右のトラックで同じ演奏をしているところなんですけど、ちょっとユニークなのは右と左で演奏の形態が違うんです。左のトラックはコンピューターによる演奏、右のトラックは生の演奏がそれぞれ担当しています。だから左右に音がバトンタッチされる時になんとも言えないグルーブが生み出されています。これによって大瀧詠一とも山下達郎とも違う新たな「ウォール・オブ・サウンド」を生み出しました。杉さんもこのサウンドにのって本当に気持ちよさそうに歌っているのがとても印象的ですよね^^今度、1枚丸々このサウンドで作ったアルバムを聴いてみたいです♪ちなみにエンディングが曲の途中で終わっていると思えるほど早いフェード・アウト手法をとっているのも今までにあまりないパターンです。歌詞は素直に彼女に好きな想いを伝えられない僕が、その気持ちを残り僅かな夏の間に伝えるようとする歌です。楽しく過ごした夏が終わりに近づき、最後に残った課題、それを「夏休みの宿題」と重ね合わせています。この曲は1992年6月21日に22枚目のシングルとして発表されました。

お気に入りの歌詞:君をちっとも分かってなかった ずっとひとりでいたって平気な娘だと思っていたんだよ

涙かもしれない(Lost in Love)

杉さんのバラードって本当に美しいですよね。曲調としては「風の季節」に通じるような胸をキュンと締め付けられるような切ないナンバーです。コーラスも杉さん自身が担当しているので純度100%の杉サウンドに身をまかせる事が出来ます♪この曲はメロディーだけでも充分歌詞の雰囲気が伝わってきます。でも、詩もメロディーを補ってもまだお釣りが来るくらい切ないんです。かつて心から愛した人を失った悲しみを歌った歌で、雲ひとつ無い青空の下、頬を伝うのは雨ではなく・・・という主人公の心の空虚さがリアルに描かれています。彼女の事を忘れようと思っても忘れられないジレンマ、それだけ苦悩してもいつかその痛みさえも消えてなくなってしまうジレンマ、そういった相反する様々なジレンマに心を締め付けられる主人公の苦悩には何か考えさせられるものがあります。杉さんが達した新境地の歌詞の1曲だと思います。

お気に入りの歌詞:もう逢えないと知ってるから とても逢いたい

Smily Smile(Smily Smile)

大切な人を励ます歌なんですけど、ゆったりとしたサウンドで決して押し付けがましくないところに杉さんの人柄が良く表れています^^こういう曲って他の人が作るとドラムが前面に出てくるテンポのある曲調を選択しがちなんですけど、この曲では歌を前面に出してサラッとした演出になっています。曲全体の雰囲気が無理をせず一緒に歩いていこう、この優しい世界に目をむけてごらんよ。と歌いかけてくれている気がします。このアルバムは今まで以上に詩とメロディーとサウンドでひとつの世界を表現していて一つ一つの曲の世界に自然に入っていけます。歌詞のどこにも出てこないんですけど僕はこの曲に「ありふれた退屈」というキーワードを勝手につけています(笑)

お気に入りの歌詞:ありふれた言葉だけど 君が好きなんだよ

夢のメキシコ(Down to the Mexico)

実はこのコンテンツの原稿を書いている時に、「夢のメキシコ」の歌詞に出てくる「僕を決め付けないでおくれよ」という歌詞がそっちゅう頭をよぎっていました。もしも杉さんがここのコーナーの原稿を読むことがあったとしたら「僕を決め付けないでおくれよ」と言われてしまいそうで(笑)もっとも杉さんがこのコーナーの記事を読む事は無いでしょうけど^^そういうわけで、とうとうここまで書き進んだんだな〜というのが今の正直な感想です。さて、曲の内容ですけど杉さん特有のアルバムならではの1曲です。メキシコの曲と言うとテキーラ飲んでタコス食べてラテンの夜を楽しもう!という曲と思いきや・・・映画「ゲッタウェイ」を比喩に使った曲でした(爆)だから今までにあった海外シリーズの「あこがれの中南米」や「波の彼方Hawaii」とはまったく毛色の違う歌なんですよね(笑)途中に出てくる「スティーブマックインマリーマックグローは・・・」の歌詞もユニークで、役名ではなく本名での登場^^(役だけではなく本当に夫婦だったからまた奥が深いんですけど^^)「ゲッタウェイ」は当時としては珍しく犯罪者が逃亡に成功するというストーリーで、それになぞらえて僕らも危険や不安のある世界からの逃亡に成功しようと歌っています。

お気に入りの歌詞:僕を決め付けないでおくれよ しゃべる言葉や肌の違いや 神様の呼び方なんかで

That's my job(That's my job)

自らの音楽活動を「仕事」だと言い切っているのに、実に楽しそうな演奏が繰り広げられています。しかも、初のスタジオ・ライヴ音源!このタイプの曲って湿っぽくなるのが定番なんですけど、手拍子(ちなみにアーティスト欄には手拍子の所にSony Hand Clappersという謎の集団がクレジットされています^^)まで入っちゃって・・・「これが僕の仕事だよ」と言われると、ちょっと嫉妬しちゃいますよね(笑)今回のアルバム中では唯一のライヴ演奏なのに全く違和感無くアルバムに溶け込んでいます。各楽器のフィルインがとてもカッコよくてライヴ・レコーディングの利点を最大限に生かしています。この曲の演奏は各楽器のプレーヤーにとっても参考になるフレーズが多いので是非、楽器を演奏する人には聴き込んでもらいたいと思っています。ちなみに一言で仕事と言っても英語の表現はたくさんあって「work」(労働)「business」(ビジネス)「task」(職務)「employment」(雇用)「occupation」(職業)「vocation」(自称の仕事)「profession」(専門職)「trade」(肉体労働)などなど・・・実は挙げればまだまだあるんですけど、気になる人は辞典などで。こうしてみると「That's my work」や「That's my trade」なんて言われるとまるでブルース・スプリングスティーンみたいだし、「That's my business」だとヒルズ族の歌みたいだし、「That's my profession」や「That's my vocation」だとヨーヨー・チャンピオンの歌みたいになっちゃいますよね(笑)そう考えるとやっぱり「That's my job」がしっくり来る。・・・ってどうでもいい余談が長すぎました。

お気に入りの歌詞:誰も聴いてくれなくなっても 君がいるなら 歌うよ

わが心のエイミー(Emy on my mind)

名前がタイトルに入る曲でハズレは無い!という僕の勝手な決め付けがあるんですけど、この曲も例に洩れず名曲です。つい最近の事になるんですけど、東京タワーで行われた杉さんのライヴでこの曲を演奏してくれたんです。その時に改めてメロディーの美しさに酔いしれました。泣きそうになりましたよ、本当に。特に最後の「本当に言いたかったのは ありがとうエイミー・・・」の所で思わずこみ上げてくる涙をこらえました。(結局最後のBest of my love)で不覚にも涙を流してしまいましたけど(笑)この曲の歌詞を伝えるような歌い方が本当に胸を打つんです。だから曲を聴いている間中に色んな映像が頭をよぎっていくんですよね。そして聴き終わった後にまるでショート・フィルムを見終わった後の様な余韻が残るんです。ただ、曲を聴いてるんじゃなくて聴き手の心に映像を描かせる、それもまた杉さんのPOPSの魔法なんですよね^^

お気に入りの歌詞:ごめんねが僕の口癖だったね

虹を見たかい(Have you ever seen the rainbow)

とうとう最後の曲です。締めの曲は「That's my job」同様、全て生演奏でレコーディングされています。今回の収録曲の中で最も短い曲で何度も繰り返し聴いてしまいます^^実は洋楽好きの人なら気付いたと思うんですけど、このアルバムは洋楽のタイトルのもじりが多く使われていて、日本語のタイトルもそれに呼応しているんです。ちなみにこの曲だけタネを明かすとCCRの「雨を見たかい」(Have you ever seen the rain)のパロディになっています。こういう思わずニヤッとしてしまうサービス精神って本当にセンスが必要で、センスを持ち合わせない人がやると散々な結果を招く事になります(笑)さて、曲の方に話題を移すと、まずイントロのギターの音色にまずやられちゃいます。ストロークだけのギターのイントロに続いてBOXトリオによる濃厚なコーラスで曲は幕を開けます。常に複数の声が入ってる曲というのも珍しくてビートルズで言えば「ひとりぼっちのあいつ」の様な聴感に近いものがあります。全体に物語の様な映像が思い浮かぶ本作の最後を飾るこの曲はまさに映画のエンディング・テーマの様な音と曲調で僕の頭の中にはいつもこのアルバムで思い描いた全ての映像とスタッフ・ロールが思い浮かんできます。主題歌の様なエンディング・テーマ。映画好きな杉さんならではの曲だと思います♪

お気に入りの歌詞:夢がかなう日は 君といたい


収録曲目一覧

太字はシングル曲、Bonus Tracksは2008.03.19の再発盤のみの収録です。

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